注文住宅の設計のポイント

注文住宅は、間取りを自由に決めることができるので、施主にとっては、理想的な住宅を造るチャンスです。建売住宅と違って、注文住宅では、多くのことを自由に決めることができる反面、施主の住宅に対する考え方をはっきりと伝えないと、中途半端な住宅になることがあります。どんな住宅にしたいのか、或は、どんな住宅がイヤなのかを、具体的に設計者に伝える必要があります。注文住宅で施主が控えたほうが良いのは、テレビ番組の匠の改築例や住宅雑誌を見せて、そのような住宅にしてほしいと依頼することです。

テレビ番組や住宅雑誌のサンプルは、表現が誇張されているものが多く、実際に自分が使う段階になると、生活と合わず、失敗する可能性が高いと言えます。最も良い伝え方は、過去に自分が住んだことのある住宅の、間取りか、写真を用意し、この部分が使いやすく、この部分は使いにくいといった、実際の生活実感を元にした要望を伝えることです。自分の家に限らず、身近な知人の家をサンプルにしてもかまいませんが、実際に訪れたことのある家である必要があります。次に、設計者に要望を伝える場合、思い付きを述べるのではなく、考えた内容を、箇条書きか、簡単なスケッチにして手渡す方法が有効です。

設計者も内容を持ち帰り、施主の希望を設計に盛り込むための検討ができ、また、お互いに言い忘れ、聞き忘れを防止できます。何も言わなくても、設計者が、こちらの事情を察してくれると思うのは、誤りです。考えていることは、相手に伝えなければ、伝わらないことがほとんどです。屈託なく意見を交換し合うことが、良い住宅を造る秘訣です。

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